この記事では、ウェブデザインに使えるフリーフォントを、字体別に分けて紹介しています。
それぞれの字体で人気の高いフォントを3〜4種類ずつ紹介しているので、ぜひ使ってみてください。

Sans-Serif(サンセリフ)体

英字フォントの一種であるSans-serif(サンセリフ)体は、ごく簡単に言ってしまえば日本語フォントのゴシック体に近い字体と表現することができるでしょう。
有名どころでは「Helvetica」「Futura」「Verdana」、そしてWin/Macに標準搭載されている「Arial」などが挙げられます。

「Serif」はフランス語で文字の端に付く「ひげ」「飾り」を示す単語で、「Sans-」は「〜がない」という意味です。
サンセリフを直訳すると「飾りがない」・・・つまり、サンセリフ体は「セリフがない文字の端の処理が極力シンプルなフォント」ということです。

サンセリフ体はIKEAやAppleなどの有名企業が広告デザインで多用しているため、洗練されたイメージを持たれることが多い字体です。

サンセリフ体フリーフォント3選

Aileron

佐賀野 宇宙(@sorasagano)さんが制作された英字フォントです。

サンセリフ体の大御所「Helvetica」などを参考に制作されたそうで、
サンセリフ体で最も気になる”I(大文字のアイ)”と”l(小文字のエル)”の区別もデザインするなど、
シンプルでありながらも細かいところまで気が利かせてあるフリーフォントです。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

HIGH TIDE SANS

「HIGH TIDE SANS」は先程の「Aileron」よりも若干縦長で、
「Futura」寄りの字体と言えるでしょう。

”N”の形が特徴的で”W”が大きめという少し癖のあるフォントですが、うまく調整し適切な場面で用いれば映えること間違いなしのフリーフォントです。

「HIGH TIDE SANS」をダウンロードすると、
「HIDH TIDE BOLD」(太字)と「HIGH TIDE」
(「HIGH TIDE SANS」と方向性が同じ特殊な字形のフォント)
も、一緒に格納されています。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

VDS

「VDS」は鋭角を控えめに、口(クチ)を大きめにデザインされている字体です。

口が大きいので、小さいサイズで表示しても読みやすいです。

「Aileron」「HIGH TIDE SANS」がクールな印象を与えるのに対して、
「VDS」はややポップというかサイバーパンクというか、
”少し前の近未来”といった具合です。

他のデザインと差別化したいときに最適です。

「VDS」はフリーフォントなのに収録されているウェイトや種類が多く
(Regular、Italic、Light、Light Italic、Thin、Thin Italic、Bold、Bold Italic)、
どのような場面でも使いやすいフリーフォントと呼べるでしょう。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Serif(セリフ)体

セリフ体は、ごく簡単に表すなら日本語フォントの明朝体に近い英字体と表現できるでしょう。

セリフ体は日本語フォントの明朝体と同様に高級感を持ち合わせており、ヨーロッパで手書きの写本から印刷物への転換が起こった時期に成立した字体です。
そのため高級ブランドや、歴史と格式を感じさせるものをテーマにしたデザインでよく用いられます。

その高級感を付与するためか、日本発の新興アパレルブランドは結構な割合でセリフ体を使っているのもなかなか興味深いですね。

セリフ体フリーフォント3選

Medio

佐賀野 宇宙(@sorasagano)さんが制作された英字フォントです。

カリグラフィのように縦線が太く横線(セリフ)が細い、”y”の下部先端がくるんとしているなど、その名の通り中世っぽい(medieval)フリーフォントです。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Valkyrie

「Valkyrie」は先ほどご紹介した「Medio」よりもさらに横線(セリフ)が細く、このような字体は「ヘアライン・セリフ」と呼ばれ近代的なデザインとされています。
太さの強弱だけでなく、字体のデザインそのものも飾り文字の風味があり独特な雰囲気をもつフォントです。

収録されているウェイトや種類が多いのも特徴です。
(Regular、Bold、Bold Condensed、Bold Condensed Italic、
Bold Extended、Bold Extended Italic、Bold Italic、Condensed、
Condensed Italic、Extended、Extended Italic、Italic)

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Goudy Bookletter 1911

「Goudy Bookletter 1911」は少し前の時代の英字新聞を想起させる字体のフリーフォントです。

現代の英字新聞の字体と比べて口(クチ)が大きく野暮ったさがあったり、数字がベースライン(フォントの下揃えの基準となる線)よりも大幅に下へはみ出ていたりするため、非常にレトロな感じがします。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Slab-Serif(スラブ・セリフ)体

「Slab」は石や金属で作られた厚い板を意味し(中欧・東欧「スラヴ」を意味する単語は「Slav」)、17世紀末-18世紀ごろに成立したと考えられる字体です。

セリフの大きさが字体の本体と同等で、初期のスラブ・セリフ体はその名が表す通り質実剛健な印象を与えます。
初期のスラブ・セリフ体は”カウボーイっぽいデザイン”と呼ばれることも多々あります。

スラブ・セリフ体フリーフォント3選

Corduroy Slab

まずは”カウボーイっぽい”スラブ・セリフ体の例として「Corduroy Slab」を挙げます。

セリフも字体の本体も太く、狭い領域や小さいサイズで使うことは推奨できませんが非常にインパクトのある字体です。
ただ、初期のスラブ・セリフ体に近いフォントは日本のデザインシーンで使われることはあまりありません。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Roboto Slab

「Roboto Slab」は先ほどご紹介した「Corduroy Slab」よりも細めのウェイトで、現代的なデザインでスラブ・セリフ体を使う際のマスターピースと呼んでも過言ではないフリーフォントです。

デザインでスラブ・セリフ体を用いるときは、まずは「Roboto Slab」で合わせてみるとよいでしょう。

口(クチ)が大きく可読性が高い字体ですので、多少小さめにしても潰れることはありません。

ウェイトはThin、Light、Bold、Regularが収録されています。
利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Josefin Slab

「Jesefin Slab」はかなり細めのスラブ・セリフ体で、ウェイトがBoldでもあまり太く感じません。

口(クチ)が大きく丸みを帯びた字体で、”a”、”d”、”o”などの円を持つアルファベットに自然と目が行くデザインのフリーフォントです。
また、”z”の上部がぐにょっとしている、”s”が他のアルファベットと比べて小さめなどの特徴もあります。
これまでにご紹介した「Corduroy Slab」や「Roboto Slab」と比べると汎用性は下がり、個性が強いフォントです。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

また、Googleウェブフォントとして利用することも可能です。

Script(スクリプト)体

中世・近世貴族の手紙で用いられているような、流れるように崩されている字体のことです。
カリグラフィ的と言っても間違いではありません。

スクリプト体はイタリック(斜め)であることが一般的で、手書きの英字筆記体のように次の文字へ繋がるようなデザインのフォントも多いです。
成立がそのような時代であるためセリフ(文字の端にある「ひげ」)が付いていることも多いです。
可読性は他の字体と比べると高くありませんが、正式な書状などで用いるために成立した字体であるため、高級感や優雅さを持ち合わせています。

そのため、国内外の多くのブランドがスクリプト体を用いたイメージ戦略を展開していたりもします。

スクリプト体フリーフォント3選

Italianno

オーソドックスなスクリプト体の例として「Italianno」を挙げます。

スクリプト体という名前を知らなかった方でも、このような字体をどこかで見かけたことがあることでしょう。

一部を除いた文字が英字筆記体のように次の文字へ繋がるデザインになっているフリーフォントです。

曲線のカーブが比較的丸っこいため、オーソドックスなスクリプト体の中でも柔らかさ(女性らしさ)を感じさせる字体です。

高級感とともに優しさ・柔らかさを表現したいときや、女性をターゲットとしたデザインで用いると良いかもしれません。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

BrockScript

「BrockScript」は大きく円を描いた飾りの付いた大文字のデザインが特徴的のフリーフォントです。

これはドロップキャップ(英字の書物や本でよく見かける、段落の1文字目だけを大きく書く)を意識したデザインであるようです。

小文字は筆記体のように次の文字へ繋がるデザインですが、大文字は次の文字へ繋がらず、独立しています。

さらに、例えば”r”は英語圏では一般的な省略の仕方がされています。

英字に慣れていない方には読みづらくなってしまいますが、デザイン的な意味では個性があって良いでしょう。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Braxton

「Braxton」はこれまでに紹介した2つに比べると現代的な字体で、教科書に出てくるペン書きの筆記体に近いフリーフォントです。

可読性はオーソドックスなスクリプト体よりも高く、それらよりもキラキラしていないのであらゆる場面で使いやすいことが特徴です。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

番外編:現代風デザインの英字フォント

「現代風デザインの英字フォント」はかなりざっくりとした分類になってしまうのですが、成立が比較的最近で、現代のデザインで多く用いられているフォントのことを指しています。
その多くがサンセリフ体をベースとしており、余計な装飾が無く、近年の主流である「フラットデザイン」にもよくフィットします。

現代風フリーフォント4選

Eunomia

佐賀野 宇宙(@sorasagano)さんが制作された英字フォントです。

”A”の横線や”D”の縦線などを大胆に省略することで独特なデザインに仕上がっています。

フォントの見本画像で「2001年宇宙の旅」をモチーフにしたと思われる言葉が並んでいる通りサイバーパンク以前のSFを想起させるデザインとも言え、それが一周回って現代のフラットデザインブームに適合しているように思います。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

VGER Grotesque

「VGER Grotesque」は名前に”Grotesque”が入っている通り、サンセリフ体をベースとした字形をしています。
(サンセリフ体の別名はグロテスク体です)

曲線はすべて角に置き換えられており、どことなくサイバーパンク風と言えるフリーフォントです。

ウェイトはRegular・Light・Boldが収録されており、同じフォントであるにも関わらずウェイトを変えるだけでかなり印象が変わるのが特徴です。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Spin Cycle

「Spin Cycle」はサイバーパンクというか、”少し前に描かれた近未来”といった印象を与えるフリーフォントです。

”l””t”など直線に近いアルファベットの寝かせ方や、”m””n””u”など曲線の多いアルファベットの処理が独特で、”i”の上部分が真円となっていることが大変目を引きます。

使用場面はやや限定的ですが、うまく使えば映えること間違いなしでしょう。

利用に際して許諾やクレジットは不要で、商用利用も許可されています。

Higher

「Higher」はその名の通り非常に縦長なデザインのフリーフォントです。

横線は上部または下部にのみ存在するため、縦線は実際の長さ以上に長く見えるようになっています。

可読性は低めですが、読めても読めなくてもどちらでも良い、それよりもユーザーにクールな印象を与えたい場合などで重宝します。