経営者仲間や経営コンサルタントと話すときには、避けては通れないマーケティング用語(とくにwebマーケティング用語)ですが、経営者のあなたは、これらを正しく理解できていますか?
とんだ赤っ恥をかかないためにも、最低限知っておきたいマーケティング用語を100つ集めました。
これから3記事にわたって、「計画編(27つ)」「実行編(39つ)」「解析編(31つ)」と紹介していきます。
まずはマーケティングの計画段階で必要になる用語を27つおさらいしていきましょう。
目次
マーケティングに一貫性をもたせる
マインドセット
マインドセットとは、個人や組織が意思決定したり、行動したりする際に基準となる考え方、価値観や信念のことです。
個人のマインドセットは、これまでの教育や経験等から形成されます。
組織のマインドセットは、製品や事業特性、戦略・ビジョン・企業理念、これまでの経験等からの影響を受けています。
したがって、マインドセットは一時的なものではなく、長期的に醸成された個人や企業の根幹にあるものということができます。
KPI
KPIとは、Key Performance Indicatorの頭文字をとったもので、 日本語では「重要業績評価指標」等と訳されることがあります。
多くの企業では、部門や個人の業績を定量的に評価するための指標としてKPIを設定して、一定期間の数値的進捗を測っています。
マーケティングにおいては、新規顧客や継続顧客の獲得数といった物理的な数字に加えて、コンバージョン率、継続率、離脱率のようなパーセンテージをKPIとして設定することがあります。
市場を分析する
4C
4Cとは、マーケティング・ミックスを構成する4つの要素をさす用語で、顧客価値(Consumer value)、価格(Cost)、利便性(Convention)、コミュニケーション(Communication)の頭文字から取られています。
マーケティング・ミックスとは製品やサービスの販売を成功させるために、複数のマーケティング要素を組み合わせて分析を行うためのフレームワークのことです。
売り手側の視点に立った4P分析に対して、4C分析は買い手側の視点に立って考えます。
その商品の価値や費用対効果、購入の利便性、顧客の声を取り入れられているか等を分析します。
4P
4Pとは、マーケティング・ミックスを構成する4つの要素をさす用語で、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の頭文字から取られています。
マーケティング・ミックスとは製品やサービスの販売を成功させるために、複数のマーケティング要素を組み合わせて分析を行うためのフレームワークのことです。
4P分析は最も有名な手法の一つであり、何を、いくらで、どこで、どのようにして売るのかという売り手側の視点に立った考え方です。買い手側の視点に立った考え方としては、4C分析があります。
SWOT分析
SWOT分析とは、企業戦略やマーケティング戦略立案の際に用いられる手法の一つで、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を体系的に分析するものです。
「機会」と「脅威」は外部環境要因に分類され、市場の経済状況や技術革新といったマクロ的要因と、競合他社や顧客状況といったミクロ的要因があります。
「強み」と「弱み」は内部環境要因に分類され、企業の経営資源全体が対象となります。
その企業の内部環境要因が、外部環境においてどれだけ優位性を発揮するかを客観的に分析する必要があります。
コアコンピタンス
コアコンピタンスと、企業の競争力の基盤となるもので、『顧客に対して、他社には提供できないような利益もたらすことのできる、企業内部に秘められた独自のスキルや技術の集合体』(https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=49)と定義されます。
コアコンピタンスは『顧客に何らかの利益をもたらす自社能力』『競合相手に真似されにくい自社能力』『複数の商品・市場に推進できる自社能力』(https://bizhint.jp/keyword/54668)を満たします。
また、その分析にあたっては、「模倣可能性」「移動可能性」「代替可能性」「希少性」「耐久性」の5つの観点で分析する必要があります。
コンジョイント分析
コンジョイント分析とは、新しい製品やサービスを開発する際によく用いられる手法です。
顧客は製品やサービスを購入する際に、価格や性能等いくつかの要素に着目します。
コンジョイント分析では、顧客がどの要素を重視しているのか、最も好む要素の組み合わせはどれか等を探ります。
具体的には、いくつかの要素(属性とよびます)に着目し、それらの具体的な値(水準とよびます)の組み合わせを比較し、製品・サービスの性能の優先順位や、価格に見合ったスペック等を決定する際に活用します。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析とは、マイケル・ポーターが『競争の戦略』の中で提唱した業界の魅力を分析するフレームワークです。
「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」「業界内の競争」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」という5つの要素を用いて分析を行います。
この分析を通じて業界の現状を明らかにすることで、新規参入・撤退といった経営判断等に用いられます。
この5つの要素が強いほど、収益性が低く、魅力のない業界と判断されます。
マーケットセグメンテーション
マーケットセグメンテーションとは、市場細分化とも言い、製品・サービスの市場の顧客を、年齢や職業といったさまざまな属性で細分化することです。
現代では顧客のニーズが多様化しているため、これまでのような万人向けの製品・サービスの開発・提供は難しくなっています。
そのため、同じニーズを持つ特定のセグメントのニーズに合わせた効率的なマーケティング活動を展開することが多くなっています。
プロダクトライフサイクル
プロダクトライフサイクルとは、製品ライフサイクルとも呼ばれ、製品やサービスが市場に投入されてから、撤退するまでのプロセスのことです。
各製品・サービスに対して、売上および利益の変化に着目します。
売上・利益を縦軸にして時間の流れを横軸にしたS字カーブを描くのが一般的です。
通常プロダクトライフサイクルは導入期、成長期、成熟期、衰退期の四つに分類され、それぞれの時期に合わせた製品開発やマーケティングが求められます。
市場占有率
市場占有率とは、マーケットシェアのことで、ある製品・サービスがその市場全体の中で占めている売上高の割合のことです。
市場占有率は、「その企業の市場製品/ 対象市場総量」で表すことができます。
その時の基準となる数字は、売上高、販売数、顧客数等が用いられます。
また、相対的市場占有率という考え方もあり、「その企業の市場占有率/ その市場のトップ企業の市場占有率」で表すことができます。
ターゲットユーザーを決める
エンドユーザー
エンドユーザーとは、実際の製品・サービスを利用する末端の消費者のことをさします。
エンドユーザーは商品を買う顧客とは異なる概念であり、顧客が必ずしもエンドユーザーであるとは限りません。
例えば、多くの消費財では、顧客がエンドユーザーですが、生産財などは、顧客とエンドユーザが異なることが多いです。
したがって、生産財のマーケティングについては、エンドユーザーだけではなく顧客(企業であることが多い)をよく理解する必要があります。
B2B(BtoB、企業間取引)
B2Bとは、Business to Business(BtoB)の略称で、企業・法人間取引のことです。
その取引内容は多岐に渡り、メーカーと卸売業者、または卸売業者と小売業者などの取引を総称します。
近年では、企業や法人間で行われる、インターネットなどの通信網を利用した電子商取引(EC)をさす場合もあります。
B2Bに対して、B2C(企業消費者間取引)やB2G(企業政府間取引)といった取引形態もありますが、取引規模・数ともにB2Bが最も大きい市場です。
B2C(BtoC、企業と一般消費者の取引)
B2Cとは、Business to Consumer(BtoC)の略称で、企業・一般消費者間取引のことです。
伝統的な店舗での販売から、インターネットなどの通信網を利用した電子商取引(EC)に至るまで、企業が一般消費者向けに対して直接製品やサービスの製造・販売を行うことの総称です。
近年では、特に電子商取引(EC)をさす場合もあります。
B2Cに対して、B2B(企業間取引)やB2G(企業政府間取引)といった取引形態もあります。
見込顧客と潜在顧客
見込顧客とは、自社の製品・サービスを購入してくれる見込みのある顧客をさします。
具体的には既に自社の製品・サービスを購入したことがあったり、メールマガジン等に登録したりしている顧客のことです。
潜在顧客とは、自社の製品・サービスを知らない、その製品・サービスのニーズに気づいていない顧客をさします。
ただ、潜在顧客についても今後見込み顧客になってくれる可能性があります。
マーケティング活動においては、それぞれの顧客に対して異なるアプローチをする必要があります。
販売戦略を決める
ビジネスモデル
ビジネスモデルとは、企業が顧客に製品・サービスを提供して利益を上げるためのしくみのことです。
ビジネスモデルを検討する上で、顧客は誰か、どのような価値を顧客に提供するのか、どのようなプロセスで顧客に提供するのか、また、どのように企業が利益を上げるのかをよく見極めることが大切です。
また1990年代以降にITを利用したこれまでにないビジネスモデルが登場した際、そういったビジネスモデルを権利化する企業が現れ、ビジネスモデル特許という概念が普及しました。
アップセル
アップセルとは、顧客が現在利用している、もしくは購入を検討している製品・サービスの上位の製品・サービスを提案して購入してもらうことです。
これにより、クロスセル同様顧客単価を上がり、顧客数を増やすことなく売上向上につなげることができます。
また、アップセルはすでにその製品・サービスやブランドのファンである顧客や購入意欲のある顧客に対するアプローチであるため、効果が高い手法である反面、押し売りの印象を持たれることもあるため注意が必要です。
クロスセル
アップセルとは、顧客が現在利用している、もしくは購入を検討している製品・サービスと合わせて関連する製品・サービスを提案して購入してもらうことです。
これにより、アップセル同様顧客単価を上がり、顧客数を増やすことなく売上向上につなげることができます。
しかし、関連製品・サービスは売り手と買い手の考えが必ずしも一致するとは限らないので、買い手の心理や行動をよく理解する必要があります。
ダウンセル
ダウンセルとは、顧客が現在利用している、もしくは購入を検討している製品・サービスの下位の製品・サービスを提案して購入してもらうことです。
主に顧客が購入を希望している製品・サービスと実際の予算が合わなかった時に使われます。
アップセルやクロスセルと違い、顧客単価を上げることはできませんが、売上ゼロという事態を防ぐことはできます。
また、ダウンセル製品・サービスを購入した顧客にDMやメールマガジン等で定期的にアプローチを行うことで、今後の新たな受注につながることもあります。
バックエンド
バックエンドとは、企業にとって利益をもたらす製品・サービスのことです。
すべての製品・サービスは、その役割に応じてフロントエンドとバックエンドに分類されます。
無料や手頃な価格のフロントエンド製品を投入して新規顧客を獲得した企業が、その後のフォローアップを通じて、バックエンドと呼ばれるフロントエンドよりも高額で利益率の高い製品・サービスの購入につなげます。
差別化戦略
差別化戦略とは、マイケル・ポーターが提唱した3つの競争戦略のひとつで、競合他社以上の付加価値を提供することで、競合他社よりも優位性を確保する戦略のことです。
差別化の対象には、ブランド・イメージ、技術や製品のスペック、デザイン、アフターサービス等、企業のバリューチェーンのすべてがなり得ます。
この戦略は、その製品・サービスの市場でコスト面において優位に立つのが難しい二番手企業によく見られます。
また、差別化戦略の他に、「コスト・リーダーシップ戦略」と、「集中戦略」があります。
コスト・リーダーシップ戦略
コスト・リーダーシップ戦略とは、マイケル・ポーターが提唱した3つの競争戦略のひとつで、低コストで製品・サービスを提供することで、競合他社よりも優位性を確保する戦略のことです。
この戦略を成功させている企業は購買、生産、販売、物流等の企業のあらゆるバリューチェーンでコスト優位性を確保しているケースが多く、その製品・サービスの一定の市場シェアを有している企業が多いです。
また、コスト・リーダーシップ戦略の他に、「差別化戦略」と、「集中戦略」があります。
価格戦略
価格戦略とは、マーティング・ミックス、4Pの一要素である製品・サービスの「価格(Price)」を決定することです。
企業は一般的に、高付加価値やブランド力を有する商品については高価格戦略を取り、マーケットシェアを取るため等の目的で低価格戦略を取ります。
いずれの場合も、企業は市場動向や競合他社、顧客の反応等をよく見極めた上で、他のマーケティング・ミックス要素(製品、流通、プロモーション)とのバランスを考えながら価格戦略を行う必要があります。
ブランディング
ブランディングとは、自社やその製品・サービスを、競合企業から長期的な観点で差別化するためのマーケティングおよびコミュニケーションの一連の手法のことです。
代表的な例としては、ロゴや商標等を利用したブランド・アイデンティティの確立や広告等を用いた知名度の向上施策、リピーター確保等顧客のロイヤルティの向上等が挙げられます。
近年類似の製品・サービスが乱立しているため、多くの企業がブランディングを重視しています。
ポジショニング
ポジショニングとは、自社の製品・サービスについて独自のポジションを築き、競合他社と差別化を行うことです。
その目的は、競合他社よりも市場内で優位に立つことです。
成功するポジショニングには、「ターゲットサイズの適切性」「ポジショニングの正確な理解」「顧客の共感」「製品・サービスと企業自体のポジショニング(企業理念等)との整合性」の4点を満たす必要があり、顧客視点を欠かすことができません。
損益シミュレーション
損益シミュレーションとは、損益分岐点のシミュレーションを行うことです。
企業自体の評価や製品・サービスの目標利益の設定等に活用することができます。
損益分岐点とは、費用と売上高が等しく、利益がゼロである状態のことです。
売上高が損益分岐点を超えれば、利益が出るということになります。
損益分岐点売上高は、固定費÷限界利益率という式で求められます。
限界利益とは、売上高から変動費を引いたものです。
限界利益率は、限界利益÷売上高という式で求めることができます。
リソースについて考える
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とは、企業が経営資源の配分を決定に用いるマネジメント手法です。
各事業を市場成長率と相対的市場占有率(マーケットシェア)の2つの軸を用いて、4つに分類します。
4つの分類は、「花形」(成長率大、シェア大)、「金のなる木」(成長率小、シェア大)、「問題児」(成長率大、シェア小)、「負け犬」(成長率小、シェア小)と呼ばれます。
webマーケティングの準備が整ったら、つづいては実行に移しましょう!
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