マーケティングの心理学

ゴーレム効果をビジネスに活かす方法を徹底解説

ゴーレム効果をマーケティングに活かすイメージ

ゴーレム効果とは?実験例も紹介

ゴーレム効果(the Golem effect) とは教師が生徒に対して無関心であったり期待を持たずに接すると、その結果として生徒の成績が下がるというものです。

これはユダヤの伝承に登場するゴーレムという怪物の名前に由来しています。
ゴーレムは意思のない泥人形で呪文によって動きだしますが、額にある護符の1文字を取り去ることで死んでしまい土に戻るという逸話があり、つまり無視された相手は死んでしまうということからゴーレム効果と名付けられています。

この効果は元ハーバード大学教授の心理学者ロバート・ローゼンタール(Robert Rosenthal)によって提唱されたものです。
ロバート・ローゼンタールは学生にネズミを使った迷路実験を行う際に、訓練されたネズミと動きが鈍く賢くないネズミの2種類を渡しました。
しかし、本当はどちらのネズミも同じだったのですが、結果は後者よりも前者の方が迷路実験の成績が良かったという反応効果(reacive effects)が得られました。

ゴーレム効果の真逆「ピグマリオン効果」とは?

ゴーレム効果は相手への接し方でネガティブな結果が生まれてしまいますが、ローゼンタールはそれならば真逆のことも言えるのではないかという仮説を立て、実験を行います。

その実験内容はまず小学生に知能テストを行いテスト後に結果とは関係なくランダムに「将来成績が伸びる可能性がある子どもの名前」を抜き出して教師に告げると、実際にその子どもたちの成績が伸びるというものです。
これは、期待することで自然と相手のことを丁寧に扱い、その結果として相手も期待に応えようとする「ピグマリオン効果」と呼ばれています。

ちなみにピグマリオンというのはギリシャ神話に登場するピグマリオン王が自分自身が彫った理想の女性像である彫刻に恋をしてしまい、妻にしたいと強く願うことで女神アフロディーテがピグマリオンの願いを叶え、この彫刻に命を吹き込んだという話に由来しています。

ゴーレム効果とピグマリオン効果の具体例を紹介します

ピグマリオン効果とゴーレム効果は教師と生徒のように教える側と教えられる側の立場がはっきりしていない場合でも、その効果が現れます。

具体例をあげると、恋人同士の場合を見てみると女性にどんどん美しくなって欲しい、もしくは男性にかっこよくなって欲しいという気持ちを持って接することで願う方向に相手がどんどん変化していくことがあります。
しかし、ここで大きなポイントとなるのは心の底からそう願うことで「現時点での相手の容姿に不満」というニュアンスで相手に接しても良い結果は期待できません。

また、効果が期待できないどころか不満な気持ちというのは逆にゴーレム効果となり、相手の自信ややる気を奪ってしまいます。
他にも例をあげれば自己暗示もピグマリオン効果の一種で「自分はできる」と言う風に自分自身にポジティブなメッセージを送り続けることでやる気を引き出すことができ、良い結果に結びつきやすいと言えます。

【応用・実例】ゴーレム効果をビジネスに活かすときのポイントと具体例

ビジネスにおいてはいかにゴーレム効果を生み出す状況をさけ、ピグマリオン効果を発動させるかということが大切になります。

具体的にはスタッフや外注の教育や指示があげられます。
直接、自分の部下にあたるスタッフを教育する場合には自分自身がスタッフを褒めたり注意深く観察し、常に気にかけているというポジティブなメッセージを発信し続けることが大切です。
また、外注のスタッフの教育を自分の部下に指示する際には外注のスタッフの良い部分などを部下に伝えることで、部下は外注のスタッフに対して無意識に期待を込めることができます。

しかし、この時に外注のスタッフがただ優秀であると伝えても具体性がないので、技術や知識など明確な長所を伝えることが大切になります。

次はゴーレム効果を避けるための具体例ですが、部下のミスばかりを叱責したり、意見をすべて否定するということはもちろん良くありません。
また、これらの言動と同じく気をつけなければいけないのが相手の存在をきちんと認識するということです。

例えば新入社員や違う部署の部下に対して「そこの君」という風に呼ぶ人がいますが、これも名前を呼ばれないことが一個人として認められていないというゴーレム効果を発動させてしまいます。
もちろん大きな会社などになれば全員の名前を把握することは不可能ですが、まず話しかける時に名前を聞いてから名前で呼ぶというのもひとつのポイントです。

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