スリーパー効果とは

スリーパー効果とは信頼性の低いソースから得た情報であっても、時間の経過とともに変化が生じることです。
情報とソースに対する認識が分離されることで、情報が信頼できるものとして残るようになるのです。
戦時中にプロパガンダの作品について調べた結果、観賞の直後には特に作用が見られなかったものの、2カ月ぐらい経ってから変化が現れました。
スリーパー効果の起源と言われており、その秘密はソースのほうが情報より先に忘却されることにあります。
忘れることを眠ることに例えたもので、居眠り効果や仮眠効果とも呼ばれるのはそのためです。
信じがたかった話を起こりうる話だと認識するようになったときに、何の根拠もなければこの効果によるものである可能性が高いです。
また、コミュニケーション効果にも類するものであり言動や振舞いにも変化を生じさせます。

スリーパー効果の具体例

スリーパー効果の具体例としては、学生に対して行ったアンケート調査が挙げられます。
ある意見に賛成している学生たちを使ったアンケート調査を実施しました。
反対意見の書かれた2つの資料を読ませて、意見が変わるかどうかをチェックしたのです。
用いた資料は専門誌と大衆紙であり、信頼性においては前者のほうが著しく勝っています。
それらを読ませた後に自分の意見を変えた人数を数えたところ、前者を読んだ学生のほうが圧倒的に多い結果となりました。
しかし、約1カ月後に同じアンケート調査を実施すると、両者の差がほとんどなくなっていたのです。
つまり大衆紙を読んだ学生の中に、自分の意見を覆す者が現れたということです。
これは時間の経過とともに、情報の信頼性が高まっていったことに他なりません。
大衆紙の信頼性の低さが薄れていったとも表現できます。

スリーパー効果に関連する心理学用語「ザイオンス効果」「ブーメラン効果」とは?またスリーパー効果との違いや関係性は?

スリーパー効果と関連するものとして、ザイオンス効果とブーメラン効果があります。

前者は接触する頻度が多いほど、親しみを感じやすくなるというものです。
最初は嫌悪感を持っていた相手であっても、何度も接しているうちに好感を抱くようになるといった具合です。

後者も心理的なものであり、説得されるとそれに対して反発したくなることを指します。
投げたブーメランが戻ってきたときに、うまくキャッチできないと傷ついてしまうことからそう呼ばれるようになりました。

以上のように、どちらもスリーパー効果とは異なるものですが関連性は小さくありません。
たとえば、情報を伝えた後にザイオンス効果を加えていくと、情報の信頼性が高まりやすくなります。
ブーメラン効果を意識すると、最初の反発の心理を計算したうえで、ソースの信頼性の低さをフォローする工夫が可能になります。

スリーパー効果をマーケティングに活かす場合の具体例

マーケティングにおいて、スリーパー効果を活用する具体例は多くあります。

たとえば、メールや電話で顧客に何度もアピールをすることもその一つです。
どれだけ質の高い情報を提供しても、最初のうちは信じてもらえないことが珍しくありません。
それどころか迷惑だと言われてしまうこともあるでしょう。
心証を損ねすぎるのは良くありませんが、何度もアプローチしているうちに情報の内容だけがしっかりと刷り込まれていきます。
ソースである人物に関してはインパクトが薄くなっていき、次第に情報の信頼性が高いように認識されていくのです。
これは接触頻度を高めるザイオンス効果も加わった具体例であり、マーケティングは根気が大切と言われる理由にもなっています。

特に競合しているライバルがいる場合には効果的に働くことを期待できます。
選挙をイメージすると分かりやすいですが、演説しているときは煩い印象しか残らない場合も多いでしょう。
しかし時間が経つとともに、煩かったことより内容が残るようになってきます。
ライバルの多いマーケティングでは、できるだけアピールしなければ勝ち残れません。
ところが過度に行うと敬遠されると考えて、控えてしまう人も多いのが実情となっています。
そう考えずに時間の経過とともにリターンが得られると踏んで、積極的にアピールするのも代表的な具体例です。

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