心理学におけるブーメラン効果とは?ブーメラン効果を生む要因5つも紹介

心理学でブーメラン効果(boomerang effect)とは、誰かを態度変容(説得)しようとすると、言われた人の態度が硬化し説得した人に対して反発するというものです。
なぜ狙いとは逆のことが起きてしまうのかというと、生じる要因は5つです。
その5つを簡単にまとめると、以下のとおりです。

  1. 「自分の立場や意見に対して強い責任感を持っている」
  2. 「譲れない信念や価値観に関わる説得であったから」
  3. 「説得をするということを予告されたので身構えてしまった」
  4. 「言われた相手が自分の嫌いな人だった」
  5. 「押し付けがましい態度での賛同(リアクタンス)」

これらの要因があると、たとえ話の内容が正しいか正しくないかにかかわらず、説得される相手にその言葉は届きません。
そのような反発を受けてしまうと、説得する側は自分の意見を保つことが出来ずに変節することもあります。

心理学におけるブーメラン効果は日常生活にも溢れている!具体例を紹介します

ブーメラン効果は特別な状況で起きるものではなく日常生活にも溢れています。

具体例をいうならば、よくあるのが親が子供に対して勉強を促す場面です。
テレビやゲームでくつろいでいる子供に対して、親が勉強をしなさいと諭したら、いやいや勉強をする子供もいれば逆にやる気を無くしたと言って頑なに拒否する子供もいます。
このとき、子供の心では「そろそろ勉強しようと思っていたのに」とか「親だからといって命令してくるのはむかつく」といった気持ちが溢れてしまい、反発する気持ちが生じてしまいます。

あるいは、大人であれば会社で部下から仕事の手順などで決められた手順を守っていないと指摘されたとき、自分のほうが立場が上なのに偉そうに言われた、ということを感じて逆に怒鳴りつける上司がいます。
理屈としては部下の方が正しいけれども、自分の立場に責任感を感じているので、それを傷つけられたと感じてしまうのです。

ブーメラン効果と同時に語られやすい「心理的リアクタンス」「認知的不協和理論」「社会判断理論」とは?

ブーメラン効果についての話題では、深く関係しているものが3つあります。

「心理的リアクタンス」は、自分の行動や決定する権利を他人ではなく自分で行いたいという気持ちから、説得が行われるとそれに抵抗感を感じて反発するというものです。
特に説得という名の教養が行われる時に起きやすいです。

次に「認知的不協和理論」はこれまで自分が行ってきた行動などが、実は誤りや最適な行動ではなかったといった事実を突きつけられたとき、改めるのではなく、怒りや不快感を感じて否定するというものです。
よく例えで言われるのが喫煙で、健康を害することは明らかだけれども、喫煙者に指摘するとそれでも長生きをする人がいる、他の死因のほうが確率が高いというように別の事実を持ち出して否定してきます。

最後は「社会判断理論」で説得の内容と相手の意見との距離があるかどうかで、意見が受け入れられるかどうかが分かれるというものです。
特に相手が夢中になって入りこだわっている部分に関しては、受け入れることが出来る範囲が狭まります。

【応用・実例】ブーメラン効果をマーケティングに活かすときのポイントと具体例

マーケティングは、消費者の気持ちをいかにつかみ、それを企業の戦略に生かすかが重要です。
広告などで上手く消費者の気持ちに働きかけることができれば、良い結果を生み出すことができます。
しかしそこにはブーメラン効果が生まれることも考慮しなければいけません。

例えば最近ではよく企業の出した広告に女性蔑視や職業差別の意図があるということで、SNSなどで拡散して反発を受ける事例がよくあります。
そうなると広告を取り下げるだけなく、企業がそういう意図はなかったということで謝罪に追い込まれ、多額の資金を投入して開発した新製品や売り出そうと思っていたサービスの売り上げが落ちてしまうのです。
例えば有名下着メーカーがSNSの公式アカウントで女性蔑視の投稿をしたということで、不適切な表現であったと投稿を削除し謝罪したことがありました。

ネットが普及する以前であれば、広告に不快感を感じる人がいても全国的にその動きが広がることは少なかったかもしれません。
しかし、リアルタイムで誰でも情報を発信し拡散できる現代においては、ブーメラン効果が起きると個人という枠を超えて社会全体にすぐ波及するので注意しなければいけません。

中には炎上マーケティングといって、あえて差別的であったり、誰かを侮辱するようなことをして知名度を高めるという宣伝手法もあります。
それが成功するケースもありますが、失敗するリスクも高いので普通の企業であればそのようなマーケティング戦略は避けたほうがいいでしょう。

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