マーケティングの心理学

「おとり効果」をマーケティングに活かす方法を徹底解説

おとり効果とは?

おとり効果は、どう考えても選ばれないであろう、明らかに劣る選択肢を入れておくことで、その人の意思を変化させるというものです。
マサチューセッツ工科大学のダン・アリエリー(Dan Ariely)が提唱するものであり、劣った選択肢が入ることで元々あったものが魅力的に見えてそちらに誘導できるというのがおとり効果のポイントです。

気をつけたいのは明らかに劣る選択肢といっても、すべての選択肢において劣っているわけではないという部分です。
ここで重要なのは特定のものに誘導するために行うものであり、別の選択肢と比較した場合には劣っているとはいえないような内容にしなくてはなりません。
すべてに劣っているようではその効果は非常に薄く、特定の選択肢と比べてかなり劣っているものの、別の選択肢よりは上回っているという状況が大切です。

おとり効果の具体例

明確におとり効果を狙った具体例にエコノミストという雑誌があります。
エコノミストの年間購読に関する広告を発表し、web版の年間購読は59ドル、印刷版だと125ドル、両方購読する場合も125ドルに設定したというものです。
普通に考えて印刷版と全く同じ設定にしてあれば、普通は両方のものを選びます。
ダン・アリエリーはこれで実験を行い、両方を選ぶ学生が大多数を占める結果となり、紙媒体のみを選んだ人はゼロという結果が出ました。

あからさまなおとり効果の例ですが、結局web版がセットになることでお買い得に感じた人が多く、それによって両方を購読したということになります。
メインとなるのは雑誌であり、いかにそれを増やすかという策でこうしたものが出てきます。
実際にこうしたやり方はあからさまなものは少ないにしても珍しいことではありません。

おとり効果と一緒に理解しておきたい「松竹梅」の法則とは?

おとり効果ともう1つ知っておきたい法則に松竹梅の法則があります。
松竹梅の法則は3つの選択肢があったらその真ん中を選ぶというものです。
もっともわかりやすい例では、うな重に上サイズをもっと売りたいという時にもう1つ上の特上を用意するというやり方です。
これにより上サイズが売れたという話があります。

これにならって、うな重を出すお店では松竹梅のいずれも用意され、竹を選んでもらいやすくなっています。
欧米ではゴルディロックス効果とも呼ばれており、童話が元になったものであり、イギリスなどで語り継がれる作品です。

0.08684027777777778という数字を見て明らかに7が印象に残りやすいですが、その次に印象に残る数字は何かと聞かれればその隣の8が目立つのでそれを選ぶ人が多いです。
強調させつつ、別のものを選ばせるというのが真の狙いです。

おとり効果をマーケティングに活かすときのポイントと具体例

おとり効果をマーケティングで活用するにはその具体例として最近の新聞社の取り組みを見る必要があります。
新聞の購読数は年々落ちており、新たな対策に乗り出すところも多いです。
すると、新聞を購読してくれたらネット版も無料で見られるようにするところが増えています。
もちろん新聞だけを購読することも可能ですが、同時にネット版も見られるとなればお得に感じます。
ネット版だけを見るとそれなりにお金がかかるので、セットにしてお得感を出して契約させるという、明らかなおとり効果が活用されています。

特定のサービスは有料で普通に利用できるものの、無料でセット販売ができるような形も設けることでより売り上げを伸ばすことができます。
こうしたやり口は動画配信サービスなどでも用いられており、様々なところで応用されているのが現状です。
なので、最初は特定のサービスだけを普及させて、その後に本来売り上げを伸ばしたいものと抱き合わせることで売り上げを伸ばせるというのがポイントです。
おとりになるものの魅力を高めることが求められます。

もちろん利用者からすればお得であることに変わりはありません。
ただこの企業は本当は何を売り出したいのかというものを見極めてマーケティングを見ていくと、その企業の戦略が透けて見えるようになるので非常に面白いです。

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