この記事は、hotjarブログに掲載された「How tracking user behavior on your website can improve customer experience」を翻訳した内容です。今回の翻訳について快く許可してくださったHotjarチームの皆様に、心からお礼申し上げます。
あなたは、自分のwebサイトに来たユーザーの行動を、正しく把握できていますか?
ユーザー行動を正しく把握しておかないと、どこで訪問者が離脱しやすいのかや、何が訪問者にとって使いにくいのかなど、知らないままwebサイトを運用し続けることになってしまいます。
結果的に、商品購入や問い合わせ、オプトインなど、webサイトの成約数がなかなか伸びず、改善案も見つからないという状況になってしまうでしょう。
そこで今回は、世界で大人気のWeb分析ツール「Hotjar」の中の人たちが教える「Webサイトでのユーザー行動を追跡し、カスタマーエクスペリエンス改善する方法」を紹介させてもらいます。
ではさっそく、スタートです!
突然ですが、あなたが今、実店舗を経営していると想像してみてください。
カウンターに座っているあなたは、お客様が店内を移動するときに起こる問題を確認し、修正することができます。
お客様が通路をナビゲートするのに苦労している場合、あなたは調整したり、助けたりすることができます。
お客様がカウンターに来るとき、あなたは会話を始めて、彼らがどんな人なのか、彼らが探しているものは何か、知ることができます。
eコマースのwebサイトでは、そうはいきません。
サイトのページ内を歩き回っている人の姿を見ることはできませんし、チェックアウト時の印象について非公式にチャットをすることもできません。
ユーザーへのアクセスは限られており、ユーザーの行動を理解したり、ユーザーが何を求めているのかを知るのに苦労することがあります。
そこで、ユーザー行動分析(UBA)を使ってユーザーの行動を研究することで、他の方法では知ることのできないユーザーエクスペリエンスを知ることができます。
そもそも「ユーザー行動」とは?
ユーザー行動とは、訪問者がウェブサイト上で行うすべての行動を指します。
どこで何をクリックし、どのようにページをスクロールし、どこでつまずき、どこで最終的にページを離れて去っていくのか、などです。
ユーザーの行動を追跡することで、ユーザーがどのようにサイトを操作しているのか、また、買い物中にどのような障害やフックを経験しているのかを、内部から確認できます。
ユーザー行動分析(UBA)とは?
ユーザー行動分析(UBA)は、ユーザーが製品やWebサイトをどのように操作しているかや、その理由を理解するために、定量的および定性的なユーザーデータを収集、組み合わせ、分析する方法です。
また行動分析は、ユーザーエクスペリエンス(UX)向上よりもユーザー行動予測に重点を置く行動分析と、混同されることがあります。
“なぜ私のサイトに人が来るのか?”とか “なぜ彼らは去っていくのか?” のような、差し迫ったビジネス上の質問に対する答えが必要な場合には、従来のアナリティクスだけでは定量的な活動が起きていることを知ることはできますが、「なぜ」の部分はわかりません。
そこで、ユーザー行動分析の出番です。
ユーザー行動の全体像を把握するのに役立つツールがあるのです。
- セッションの記録は、クリック、タップ、スクロールなど、Webサイトで発生する実際のユーザーエンゲージメントをレンダリングしたもので、カスタマージャーニー中にユーザーが実際にさまざまなページをどのように操作するかを確認できます。
- ヒートマップは、顧客がページのどこに最も多くの時間を費やしているか、どこをクリックしているかを示します。
これにより、ボタンやコールトゥアクション(CTA)、あるいは動画、その他クリック可能な箇所のうち、どこが最も多く操作されているか、またどこが最も少ないかを確認できます。 - オンサイトアンケートは、特定のページを対象にして、何が機能していて何が機能していないかを、ユーザーから個人的な回答を収集するのに役立ちます。
- 着信フィードバックなどのフィードバックウィジェットを使用すると、Webサイトの特定のページでハイパーターゲット化された視覚的フィードバックを取得できます。
(画像引用元:hotjar.com)
Webサイトでのユーザー行動を追跡・分析するメリット4つ
時間と労力をかけてユーザーの行動を分析することで、実店舗のオーナーが毎日店舗で行っていることと同じことをwebサイトで行えます。
- 人々が何に興味を持っているのか、何に惹かれているのか、何を無視しているのか、実際に確認する
- カスタマージャーニーの中で、顧客が行き詰ったり、苦労したり、混乱したり、去っていったりするポイントを特定する
- 特定のページやセクションがどのように機能しているかを調査する
- 顧客が何を求めているのか、何を大切にしているのかを理解する
ユーザー行動を分析するためのシンプルな3ステップ・フレームワーク
必要なツールについてわかったところで、それらをどのように使用するかについてお話ししましょう。
ユーザー行動の全体像を把握するには、収集したユーザー行動データを戦略的に活用し、以下のユーザーに関する重要なこと3つを理解する必要があります。
- ユーザーをwebサイトに引き寄せる原動力
- ユーザーを止めたり、去らせたりするかもしれない障壁
- ユーザーに成約してもらうためのフック
(画像引用元:hotjar.com)
これは、Hotjarでよく使用する3ステップのフレームワークで、従来のアナリティクス、行動分析、およびユーザーフィードバックの組み合わせに依存しています。
ということで、それがどのように機能するかについて、順に見ていきましょう。
ステップ1:なぜ人があなたのサイトに来るのかを知る
そもそもユーザーがあなたのサイトにアクセスする理由を知るには、ユーザーがサイトにアクセスする動機となる原動力やきっかけを特定する必要があります。
HotjarのCEO兼共同創設者であるDavid Darmaninは、Webサイトユーザーには3つのタイプがあると考えています。
- ただ閲覧している人:ただ見回しているだけで、あなたの製品を購入するつもりがない人々
- 決意したヒーロー:あなたの製品を購入するという唯一の目的で到着し、遭遇したどんな障害にもかかわらず、商品購入を完了する人々
- 買うかどうか迷っている人:あなたから購入するかどうかについて迷っている人々
ただの閲覧者に購入を促すのは簡単ではありませんし、決意したヒーローはすでに確保してしまっています。
しかし、あなたが本当に理解することに焦点を当てる必要があるのは、買うかどうか迷っている人たちなのです。
そのためには、彼らの頭の中に入る必要があります。
では、どうやってそれを見つけるのでしょうか?
彼らに聞いてみましょう。
アナリティクスとオンサイトアンケートを組み合わせて使って、ユーザーの動機を知ろう
まず、Google Analyticsを使用して、どのチャネルから最も多くのユーザーが流入しているかを調べましょう。
ログインして、[集客] > [すべてのトラフィック] > [ソースメディア]に移動します。
(画像引用元:hotjar.com)
最も有益なソースのリストが表示されます。
たとえば、ソーシャルメディアよりもオーガニック検索の方が、コンバージョン率が高いことがわかったとしましょう。
ここから、動機を推測できます。
検索から入ってくる人たちは、ソーシャルメディア経由の人たちよりも購買意欲が高いということです。
ですから、FacebookキャンペーンよりもSEO(検索エンジン最適化)に取り組む方がいいということが分かります。
(画像引用元:hotjar.com)
google / Organicをクリックし、レポートのセカンドディメンションにランディングページを選択することで、検索をさらに絞り込んで、オーガニック検索ユーザーが頻繁にアクセスするランディングページを見つけることができます。
これは、ユーザーの検索動機を評価するのにさらに役立ちますが、どのページにアンケートを配置するべきかを把握するのにも役立ちます。
(画像引用元:hotjar.com)
最も人気のあるランディングページのリストを取得したら、それらにアンケートを設置します。
ユーザーが誰なのか、なぜサイトを訪問しているのかを知るために質問を調整し、ユーザーの態度、価値観、欲求に関するサイコグラフィックデータを収集します。
尋ねるべき関連する質問:
- 今日の主な訪問理由は何ですか?
- 当社のことをどこで知りましたか?
- 自分自身を一文でどのように表現しますか?
(画像引用元:hotjar.com)
Hotjarのオンサイトアンケート機能を使用して、サイトの特定のページに質問の対象を絞ることができます。
Hotjarダッシュボードから、アンケートを表示させたいページをリストアップします。
(画像引用元:hotjar.com)
大量の情報を収集したら、そのデータを使用して、顧客を反映したユーザーペルソナを作成できます。
シンプルなユーザーペルソナは、以下の質問に答える必要があります。
- あなたは誰?
- あなたの主な目的は何ですか?
- この目的を達成する上での、主な障壁は何ですか?
質問の回答を参考にして結論を出し、理想的な顧客の短いプロフィールを作成してください。
マーケティングやデザインの取り組みに役立つ情報を提供し、改善できます。
(その方法を知りたい場合は、ユーザーペルソナを作成するためのステップバイステップガイドを読んでください)。
ステップ2:ユーザーがあなたのwebサイトを離れる理由を見つける
「原動力・障壁・きっかけ」モデルにおいて、障壁とは、Webサイトの訪問者が購入することを思いとどまる原因のことです。
それは、価格の表示方法から、商品ページの文言、チェックアウト時の機能していないフォームまで、さまざまです。
ユーザー行動分析は、なぜ人々がファネルから脱落しているのかを理解するのに役立ち、脱落するのを防ぐことでコンバージョン率を高めることができます。
問題のある領域を特定し、記録とヒートマップを使用して調査する
Webサイトのすべてのページでユーザーの行動分析を行うのではなく、まず問題のあるページに焦点を当てましょう。
GoogleAnalyticsで離脱率が最も高いページを探すことで、問題箇所を特定できます。
[行動] > [サイトコンテンツ] > [出口ページ]の順に進んでください。
(画像引用元:hotjar.com)
これにより、ユーザーがWebサイトを離れる直前に閲覧したページのリストが表示されます。
調査するページを特定したら、セッション録画機能を使用して、ユーザーがジャンプする前に何をしていたかを確認します。
問題ページから直帰したユーザーのみを監視するには、終了URLで記録をフィルタリングします。
(画像引用元:hotjar.com)
できるだけ多くの録画記録を見て、ユーザーが離脱前に何をしたかについて、詳細なメモを取りましょう。
以下の画像は、Joel Klettke氏が「Divorce Online UK」を分析するために使用した、ユーザー記録分析スプレッドシートの例です。
(画像引用元:hotjar.com)
セッションの記録に加えて、ヒートマップを設定して、ユーザーが各ページで移動、クリック、ドロップオフする場所などのユーザーアクティビティを確認します。
人々が重要なリンク、ボタン、CTAでコンバージョンしていない証拠を探します。
実際に見てみましょう。
当社の採用ページのヒートマップ(下のイメージ)を見てみてください。
ほとんどのユーザーがHotjarの企業文化について読んでいるのに、「Hotjarとは」のセクション(ページの下の青い部分)を読むために下にスクロールする人はほとんどいないことがわかります。
もしそれが採用ページのメッセージに不可欠なものであれば、もっと目立つ位置に移動する必要があります。
(画像引用元:hotjar.com)
十分な情報を収集したら、ユーザーがページを離れる前に何をしていたか、何を読んでいたか、何を見ていたか、正確に確認できるはずです。
そこから、原因についての結論を導き出すことができます。
もしかしたら、CTAが設置されていないか、リンクが壊れているか、ページのレンダリングが間違っているのかもしれません。
(画像引用元:hotjar.com)
たとえば、オンライン印刷サービスプロバイダーであるZenprintは、記録とヒートマップを使用して、製品ページへの訪問者が離脱する原因となった特定の問題を探しました。
価格表のデザインの問題を発見した後、彼らは他のデザインをテストし、販売にもっと繋がるようなデザインを1つ見つけて実装し、その最初の障壁を取り除きました。
ステップ3:何がユーザーを納得させてコンバージョンさせるのかを発見する
コンバージョンを増やすための強力な方法は、人々がコンバージョンしたときに何が起こったのかを調査することです。
これは、ユーザー行動の中で最も見落とされている要因の1つです。
なぜなら、物事がうまくいっているときには、そこから学び、その成果を他の場所に適用するのではなく、祝福する傾向があるからです。
なぜ人々がコンバージョンするのかを知ることは、あなたの助けになるでしょう:
- あなたの製品の最も強力なセールスポイントをピンポイントで特定し、それをさらに活用できる
- あなたのwebサイトの最も説得力のある部分を把握することで、より強力なセールスファネルを構築できる
- 理想の顧客像を明確にすることで、ユーザーペルソナ(上述)に情報を与える
特定のユーザーに購入手続きを完了させるような「フック」が何かを理解するためには、これらのユーザーの共通点を見つける必要があります。
ユーザーがあなたのwebサイトに訪れた理由は何でしょうか?
ユーザーが「障壁」を回避できた要因は何でしょうか?
ユーザーのフィードバックを収集して、何がうまくいったかを調べる
この場合も、顧客について知るための最も効果的な方法は、顧客に聞くことです。
これは、いくつかの方法があります。
- サンキューページに購入後のアンケートを設定する。「今日サインアップまたは商品購入に至った理由は何ですか?」と顧客に質問する
- 顧客にメールアンケートを送り、顧客自身のことや、どうやって購入に至ったかのプロセスについて、以下のような質問をする。
- [製品]を使用/購入することを妨げたであろう、心の障壁は何でしたか?
- 全体的な購入経験をどのように評価しますか?
- 購入を止めようかと迷ってしまった理由は何ですか?
- 人々にインタビューする。熱心なお客さんに電話してもいいか聞いてみる。そして、購入経験のチェックポイントを話してもらう。統計的に有意な数の人と話すことはできないかもしれないが、一握りのインタビュー結果から共通点を特定できるはず。
(画像引用元:hotjar.com)
次に、うまくいったことと、それをサイト全体で最大化する方法に的を絞るために、収集した回答を分析してみましょう。
今すぐユーザー行動の追跡を開始しましょう
Hotjarでは、お客様に執着することを信じています。
ユーザー行動分析は、ユーザーを深く知ることによって、同じことを行うためのツールを提供します。
一番のメリットは、簡単に使えて、ユーザーのプライバシーを保護し、素早く使いやすい結果が得られることです。
納得しましたか?
Hotjarのユーザー行動分析ツールのスイートにサインアップして、今すぐ始めましょう。
ユーザー行動分析に関するFAQ
ユーザー行動分析(UBA)とは?
ユーザー行動分析(UBA)は、ユーザーが製品またはWebサイトと、どのように、あるいは、なぜ接点を持つのか理解するために、定量的・定性的なユーザーデータを追跡、収集、分析する方法です。
ユーザーの行動の分析には、訪問者がWebサイトで実行するアクション(クリック場所、スクロール方法、障壁となったパーツ、離脱箇所など)の監視が含まれます。
これらの行動を追跡することで、ユーザーがページをどのように操作し、カスタマージャーニー中にどのような体験をするかについて知れるため、サイト改善方法を決定できます。
従来のwebサイト分析とユーザー行動分析の違いは何ですか?
従来のウェブサイト分析では、「何回?」や「どれくらいの頻度で?」などの疑問に答えます。
そして、その答えは一般的に数値であり、データを測定できることを意味します。
Google Analyticsのようなツールでは、データを追跡して測定値やKPIでサイトのパフォーマンス分析ができます。
測定値やKPIには、ページビュー、平均注文額、離脱率と直帰率、セッション持続時間などが挙げられます。
ユーザー行動分析(UBA)は、定性データと定量データを組み合わせて、ユーザーがWebサイトをどのように、なぜ操作するかなど、従来の分析では答えられない質問に答えます。
ヒートマップ、セッション記録、オンサイトアンケート、フィードバックウィジェットなどのユーザー行動分析ツールを使用すると、ユーザーエクスペリエンスの全体像を把握できます。
これにより、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、サイトに必要な変更点をピンポイントで確認することができます。
ユーザーの行動をどのように追跡しますか?
ユーザー行動を追跡するには、以下のような行動分析およびフィードバックツールを使用します。
- クリック、スクロール、移動ヒートマップ:顧客がWebサイトで時間を費やしている場所と方法(クリックして移動した場所、ページを下にスクロールした距離など)を確認して、サイトのどのパーツが最も多く(または少なく)使用されているかを確認する
- セッション録画(別名セッションリプレイ):実際の人々がサイトをどのように操作しているかを示す。クリックレイジ(怒りのクリック)、Uターン、タップ、スクロールなど、ページ全体でユーザーが行ったアクションのレンダリングが見られる
- オンサイトアンケート:実際のユーザーに実施するアンケート。オンサイトアンケートは特定のページを対象にできるため、サイトで何がうまくいっているか(何がうまくいっていないか)についての回答を収集できる
- フィードバックウィジェット(受信フィードバックなど):Webサイトの特定のページや要素で、ユーザーから直接ターゲットを絞った視覚的なフィードバックが得られるので、問題点やユーザーエクスペリエンス(UX)向上の機会を特定できる
ユーザー行動をどのように理解しますか?
ユーザーの行動を理解するために、カスタマージャーニーの最初から最後までをカバーするような、実用的な洞察が得られるデータを、収集・分析しましょう。
たとえば、以下のようなデータが有用です。
- ユーザーをサイトに誘導する要因
- ユーザーが遭遇するかもしれない障壁や妨害
- ユーザーが成約するように説得してくれるフック
上記のような、カスタマージャーニー中の重要な瞬間を正確に特定することで、ユーザーの行動の傾向や異常に気づいたり、ユーザーがサイトを操作する方法と理由をよりよく理解したり、必要に応じて最適化したりすることができます。
当メディア「経営者の集客術」では、ビジネスに役立つ海外のマーケティング関連情報を日本に届けるため、著者に直接依頼し、翻訳させていただいています。 著者に敬意を表し、翻訳には細心の注意を払っておりますが、もしおかしな点がありましたらコンタクトフォームよりご連絡いただけますと幸いです。
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