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利益についておさらいしよう!粗利(売上総利益)と純利益とは?それぞれの違いと計算の仕方も紹介
粗利(売上総利益)は単純にいえば売上から仕入れを引いたもので、事業の経費を更に差し引けば営業利益となります。
一方の純利益は、税引が行われる前の利益をベースに、支払うことになる税金を引いたものを指します。
つまり企業が得る最終的な利益のことで、名前が表すように純利益というわけです。
この時に差し引く税金は主に、法人税や住民税と事業税などで、差額から税の大小を知ることができます。
改めて計算方法を確認すると、以下のとおりです。
(売上)ー(売上原価)=(粗利益)
例えば、3千円で仕入れた商品が5千円で売れた場合は、差し引き2千円です。
仕入れる商品の数が多い時は、仕入額に数を掛けて、同様に計算することが可能です。
残った分は資産として計上することで、やはり粗利(売上総利益)が算出できる結果に至ります。
純利益の方は、税引前利益から支払う税金を差し引くだけと簡単です。
先に税金を算出しておく必要はあるものの、単純に引き算をするのみで答えが出ます。
残った答えを当期純利益と言い、企業の経営状態を評価する指標の1つになります。
簡単過ぎて拍子抜けですが、しかしどの企業にとっても重要なことですから、軽視せずに計算したり、数字を出して評価することが大切です。
粗利(売上総利益)は売上から原価を引いた結果で、あくまでもおおよその利益を表現するものです。
実際は、ここから更に差し引いて残った分が本当の利益になりますから、計算途中の数字ともいえます。
ただし粗利(売上総利益)どうしで比較を行えば、同企業の前年度と見比べたり、他企業と比べることができます。
純利益は、企業の稼ぎから社会的に支払うコストを差し引いた分なので、企業活動の純粋な結果が表れます。
勿論、これだけで多くを知ることは難しいとしても、税金を含まない数字から様々なものが見えてくるでしょう。
このように、利益の表現方法にはいくつかの方法があって、状況に合わせて使い分けられています。
文字を見るとわかりますが、粗利は文字通り利益を粗く表すもので、純のつく利益は純粋な利益だと理解できます。
文字と意味を関連づければ、それぞれの理解が深まったり、実際に活用できるようになるはずです。
いずれにせよ、違いを知ることが使い分けの基本で、他の利益計算においても役立てられます。
税を引くか引かないか、あるいは税を含むかと言い換えられるので、そのように覚えておけば何かと活用しやすくなります。
粗利率から何がわかるの?粗利率の意味と計算方法
粗利率は粗利を売上高で割ったもので、消費者に提供した付加価値の大小を知ることができます。
計算方法は売上高引く売上原価で、更に売上高で割った数字が粗利率となります。
売上高が1万円で売上原価が5千円だとすると、粗利は差し引き5千円です。
その5千円を売上高の1万円で割った数字、0.5%が計算の答えです。
粗利率とはつまり、利益と費用の割合のことで、数字が大きいほど利益の割合が大きいと表現できます。
端的にいえば、粗利率が大きい企業ほど儲かってるといえますし、経営が健全に行われているか評価する材料にもなり得ます。
ただ、粗利率が経営を全て正確に表しているわけではなく、一側面にしか過ぎないことに注意が必要です。
実のところ粗利率は業種によって大きく異なり、異なる業種間ではあまり意味のない数字となります。
同じ業種や規模の大きな会社同士であれば、この数字を使って比べることに意味があるでしょう。
ところが、広告宣伝費や特別損失などが発生すると、簡単に粗利率は変動してしまいます。
それくらい様々な要素に左右されやすいので、やはりこれだけを見て評価を下すのはリスクがあります。
企業経営において重要なのは、実際にいくらのお金が手元に残るかですから、粗利の率のみで判断するのは早計です。
ちょっとした経費などの出費があると、粗利率も連動する形で変わってしまうので、評価指標としてはやや使いにくいです。
そもそも、経費や損失に税金も考慮していない数字ですから、大きな意味があるかといえば微妙です。
粗利率に更に計算を加えて違う数字を出せば話は別ですが、そのままでは活用に限界があります。
数字からわかることを挙げるとしたら、それは相対的な比較における経営状態の変動で、悪化しているなら要因を見つけて改善する切っ掛けが得られます。
確かに、率を上げたり高く保つのは大切なことで、低ければ良いと言うことは難しいでしょう。
問題は、粗利率が低くても十分な儲けが出ている、そういう可能性を排除できない点です。
販売価格が安くても原価が低い商品であれば、この十分に儲けて稼いでいる可能性に該当します。
ポイントは、売上に目を通しつつ粗利もチェックして複数の視点で経営状態を確認する、その重要性です。
改善が必要だと気がつけることは、安定した経営に欠かせませんから、粗利率を計算して出す意味はあります。
これだけを重視するのではなく、いくつもの評価指標の中に組み込み、強みを活かした活用を行うことが必要になります。
粗利率が下がる原因は何?
粗利率が下がる状況には、必ず何らかの原因が存在していて、それが経営に影響を与えます。
逆にいえば、下がった時に分析して問題を特定できれば、経営を改善していけることを意味します。
インターネット通販だと、送料無料の条件の購入価格が低い場合に、この数字が下がる結果となります。
つまり、キャンペーンなどで条件の価格を下げる時は、それと連動するように粗利率が下がるわけです。
特に思い当たる原因がないのに下がったとしたら、売値や仕入れ値に変動があった可能性が高いです。
前者の売値は値下げをした場合、後者の仕入れ値は言うまでもなく、仕入れ価格の変動が要因になります。
現場で勝手に値下げが行われていると、粗利率の変動を知るまで気がつけないケースがあるので要注意です。
仕入れ値の方は、値引きを約束して実際には引かれていない時など、粗利率の数字に変化が現れることがあります。
これらを確認しても原因が特定できないならば、在庫管理に問題がある恐れが強まります。
数量の記録や管理が間違っていたり、在庫の認識に誤りがあるなど、いくつかの要因が考えられます。
仕入れたはずなのに数字を加えていない在庫も、粗利率に影響を与えることになります。
外部の倉庫に一時保管しているケースなどで、こういう原因不明の粗利率が下がることが起こります。
在庫管理の点では、誰かが無断で廃棄していたり、処分を行っていることもあり得ます。
不良在庫発生の責任を恐れて、勝手に在庫の処分が行われたりすると、粗利率に現れるのでやがて発覚します。
それでも、粗利率が下がる事態には色々な要因がありますから、直ぐに原因を特定できるとは限らないです。
他にも、取引先に対する請求を忘れていたり、逆に仕入先から過大請求を受けている可能性も否定できないでしょう。
製造業であれば、歩留まりの悪化が粗利率に響きますから、原材料と生産量の比率を比べて、変動していないか要チェックです。
原料の品質に問題があったり、設備の不備で不良が発生すると、このように粗利率が下がることになります。
業種によって当てはまる項目は違いますが、粗利率の変動要因には関連性があります。
どの業種であっても無視はできませんから、変動に目を向けて大きく変化したら切っ掛けを特定したいところです。
こういった姿勢が、経営状態の悪化に気がつけたり健全性を認めることになるので、常日頃から数字の変化にアンテナを張っておくのが正解です。
粗利率が高ければ儲かる?業種別の平均的な粗利率を考えてみよう
粗利率が高ければ高い方が儲かるか、その疑問は業種ごとの平均的な粗利率を見て考えることでわかります。
花屋
花屋の粗利率の平均は60%ほどで、更に販売経費を引くと手元に残るお金は限られます。
付加価値をつけて高く売れれば別ですが、仕入れ値が安くならない限り、粗利率を改善するのは難しいでしょう。
製造業
製造業は50%が平均とされ、花屋と比べるとやや下がりますが、それでも材料の加工や仕上げなどで付加価値をつけています。
業種別の分類だと、実は花屋も製造業に含む考え方があるので、実際はあまり差がなく似たりよったりだったりします。
中古車販売業
中古車販売業は小売で、平均的な粗利率は30%くらいとされます。
仕入れに対して付加価値の割合が小さいですから、このような数字になっているわけです。
単価の低い車によっては、10%や20%ともっと粗利率が低くなることになります。
ところが中古車販売店が簡単に潰れることはなく、むしろ経営が安定していたりします。
理由はとても簡単で、それは粗利率が仕入れと製造費用などを差し引いた数字に過ぎないからです。
大切なのは、業種における平均と照らし合わせ、一定の水準を保てているかチェックすることです。
飲食店
飲食店は平均70%くらいの粗利率を誇る業種です。
原価率は30%ほどといわれ、調理という付加価値によってこの数字が達成されているものです。
仮にもし高い数字を維持していても、手元に残るお金が少なければ、それは儲かっているとはいえないでしょう。
粗利率が低かったり、マイナスなどになってしまっている場合は、営業で仕入れを見直したり、改善を図るようにすることが大事です。
数字を改善させるには、経営を見直して取り組む必要がありますから、数字が良くなれば経営状態も良い方向になります。
サービス業
サービス業は、仕入れ値が小さく技術や知識を提供するので、かなり高い粗利率になっています。
流石に材料費が大きい製造業が真似するのは難しいですが、営業の段階でチェックしたり見直すことは重要です。
低い粗利率を受け入れるのではなく、疑問を持って原因を究明したり、改善点を洗い出すのが懸命です。
業種別の平均値はあくまでも平均で、中央値ではありませんが、1つの指標として参考材料にすることはできます。
当然ながら変動する数字なので、平均も定期的に確認しておくことが肝心です。
粗利率は高いほど儲かるというのは、一種の思い込みによるもので、業種が違えば利益も簡単に変わってくるというのが結論です。
粗利がマイナス?それなら粗利が高いビジネス展開を考えよう!粗利が高いビジネス5選
粗利がマイナスに転じている状況なら、粗利が高いビジネスを展開することで、状況が変えられるようになります。
飲食業
粗利が高いビジネスの1つには、いわゆる飲食業を挙げることが可能で、原価を抑えて付加価値を高めるビジネスが粗利の向上に繋がります。
具体的には、食材が中心で調理により付加価値をつける、ラーメン店が粗利の高いビジネスの1つに当てはまります。
半分以上を付加価値が占めますから、それだけ経費が少ないともいえるでしょう。
サービス業
仕入れが殆どないサービス業も、やはり粗利が高いビジネスに数えられますし、プラスに転じたりより高い数字を狙うなら、参考にすべき業種です。
具体的には病院がトップクラスで、提供するサービスのレベルが高く、大きな価値をもたらすことから、付加価値の重要性が窺えます。
専門性が高いほど高い粗利を目指せますが、同時にビジネス参入のハードルが高い上に、業態転換となれば一筋縄ではいかないです。
しかし、粗利を上げる努力は必要で、サービス業のありかたは参考になります。
個人商店
粗利が高いといえば個人商店もその1つで、案外儲かっているお店が多く、それだけ価値の提供ができていると思われます。
提供できるサービスの種類が多く、形のある商品だけでなく、目に見えないサービスも提供できるのが強みです。
それに経営時間の融通が利くので、特定の時間帯に限定せずに済んだり、安定したビジネスチャンスを保てるのも見逃せないポイントです。
従業員を雇うとコストが発生しますが、高い人件費を支払っても、軌道に乗せれば安定性の高いビジネスが行えるでしょう。
自宅で開業して依頼に応じて出張するビジネス
粗利が高いビジネスには、自宅で開業して依頼に応じて出張するビジネスもあります。
高齢者が増加する今後は、簡単に相談できて何でも依頼できる、そういった仕事の需要が高まる見込みです。
便利屋は日常的で簡単な仕事が任されやすく、買い物やペットの散歩というような楽な作業が多いです。
中には力仕事もありますが、全体的に見ればそれほど専門的ではなく、資格らしい資格がなくても始められます。
割と粗利は高く維持できるので、高い数字を狙いたい場合におすすめです。
リフォーム業
リフォーム業も粗利は高く、住宅の悩み相談などと合わせたサービスの提供で、高い粗利を目標にすることができます。
というのも、住宅業界自体の粗利が高い傾向ですし、かなり儲かっていることでも知られます。
原価の仕入れはあるので、広い業界で見れば上位ではないですが、それでもリフォーム業はとても魅力的なビジネスです。
安く仕入れ、付加価値をつけて高く売ることができれば、リフォーム業は美味しい仕事となるでしょう。
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