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損益分岐点とは?計算方法と損益分岐点からわかること
損益分岐点は企業が様々な事業を行う上で利益性を判断するための重要な指標です。
損益分岐点が明確にならない事業を行ってもマイナスとなるばかりでなく、企業の様々な経営を圧迫することになりかねないため、このポイントを明確に定める事は事業を進める上で非常に重要な要素となるのです。
事業計画を立案する際には損益分岐点を常に意識し、これにかかるコストを厳密に計算しなければなりません。
コストを分析する上で最も重要な要素には、固定費と変動費があります。
固定費は一般的には製品の生産量やサービスの提供量にかかわらず固定的にかかるコスト、そして変動費は製品の生産量やサービスの提供量によって変動するコストとなっていますが、厳密にはその分類は状況に応じてさまざまに変化するため、状況に応じて個別に算出しなければならないものとなっています。
よく人件費は固定費と言われる面があり、材料費や製造するための設備の稼働費は変動費に分類されることが多いのですが、実際には必ずしもこの分類で収まるものではなく、製造のために一時的に人材を雇用したり、あるいは固定的に稼働している設備を利用するなどするケースも多いため、その状況に判断することが求められます。
損益分岐点を計算する際には、固定費と変動費の積算に対して、製品の販売による利益を重ねて差し引き、利益が上回るポイントを見つけることが重要です。
一般的には製品の販売量やサービスの提供量が増えるにつれ利益が高まることになるので、これに対して固定費と変動費の積算が少なくなるところが損益分岐点となりますが、そのポイントができるだけ低いほど利益性の高い事業と判断されることになります。
逆に損益分岐点が高いところにあったり、なかなか見つからない場合などは事業性が低いと判断されることになるので、この事業を進めるかどうかは冷静な判断が必要です。
損益分岐点が見つからない場合には事業を進めれば進めるほど赤字になると言うことも考えられるため、その授業は行わない方が良いと言う結論になるのです。
損益分岐点の求め方を知っておくと、事業計画や利益性を判断する上で非常に便利な面が少なくありません。
ただしこの求め方を誤ると事業性の判断を誤ることになるため、その要素を選ぶ際には十分に注意をすることが必要です。
コストの分析が事業性を決めると言っても過言ではないため、その中身を十分に分析し、より実態に近い損益分岐点を求めることが正確に事業性を判断する重要な要素となっています。
損益分岐点を下げるためのポイント
事業を行う上では損益分岐点をできるだけ低く設定することが重要です。
しかし様々な要素によりこのポイントは変動するため、それぞれの要素を十分に分析し、無駄を省くために綿密な検討を行うことが求められます。
基本的には損益分岐点を下げるポイントは、第一に変動費を低くすることです。
変動費は売上高に応じて増加する傾向があるため、単位あたりの変動費をできるだけ低くすることで、損益分岐点を下げ利益性を高めることに直接的に影響します。
ただし固定費の部分も低くすることを意識しなければなりません。
固定費は基本的には売上高にかかわらず一定の金額となるため、損益分岐点に大きな影響を及ぼさないと考えられていますが、コストの分析をする上では変動費に対して底上げをする要素となってしまうため、この部分を1つを抑える事は全体のコストを低くすることにつながるのです。
固定費を低くするためには人件費を削減したり、製造のための機器の設備費を抑えることが1つの方法となります。
最近では人件費の削減のために派遣社員を利用しその人件費を変動要素に組み込んだり、設備をリースに切り替えるなどして固定費を抑える方法も非常によく用いられます。
しかし過剰にこれらの施策を行うと企業体力が低下し、生産の柔軟性を損なうことになりかねないため、十分に注意をすることが必要となります。
またこれらのコストを維持したままで損益分岐点を下げる方法は売上高を高める方法があります。
すなわち販売単価を引き上げる方法ですが、その方法を行うためには十分な注意が必要です。
何かを引き上げると価格競争力を低下させる要因となるため、販売数が低下してしまうリスクを負ってしまうことになります。
そのため市場調査を十分に行い販売価格のバランスを確認しながら行うことが重要で、過剰に価格が高まることのないよう十分にバランスを取らなければなりません。
一般的には価格を高めることが最終手段となっていることが多く、商品企画の段階で決めた販売価格は基本的には変化させずにコストの面で対応することが現実的であると考えられます。
損益分岐点を下げるには様々な方法がありますが、基本的にはコストを引き下げ売上高を高めることがその基本となっています。
売上高を高めるためには販売数量を増やし、市場での競争力を高めることが非常に重要となっているほか、常にコストとなる変動費や固定費を見直し、これらのバランスを効果的に保つことが重要な要素となっているのです。
合わせて知っておきたい「限界利益率」「損益分岐点売上高」「損益分岐点比率」とは?求め方と概要
損益分岐点を考える上で重要な考え方があります。
その中でも特に知っておきたいのは、限界利益率と損益分岐点売上高、及び損益分岐点比率です。
限界利益率
限界利益率は売上高が増加した場合に利益がどれだけ増加するかと言う割合を示す指標となっており、単純には売上高の増加に対して増加する利益を示した限界利益の割合であり、企業が売り上げに対してどの程度の利益を得ることができるかを厳密に計算した数字となっています。
限界利益率は事業計画書等には明確には現れませんが、その事業を行う上で必ず算出しておかなければならないものであり、この限界利益率が赤字となる事業は企業を圧迫するものとなるため基本的には行ってはいけません。
事業計画書で利益性が現れていても、限界利益率がマイナスになるような場合には、最終的に企業の利益を圧迫するデメリットを生み出す事業と考えられるものです。
損益分岐点売上高
損益分岐点売上高は損益分岐点における売上高そのもので、売り上げの最低目標となります。
すなわち最悪でも事業を成功させるためにはこの売上高を達成しないと事業自体が赤字となることになり、状態で事業を継続する事は非常に危険であると判断できるものです。
損益分岐点比率
損益分岐点比率は、現在の実際の売上高と、損益分岐点売上高の比率を計算した結果で、実際の売上高に対して損益分岐点売上高が何%を占めるのかを示します。
例えば実際の売上高が100万円で損益分岐点売上高が80万円の場合には損益分岐点比率は80%となります。
通例ではこの損益分岐点比率が80%を超えると利益性に問題があると考えられており、実際には事業を撤退するなどの判断を行うポイントとなることも少なくありません。
損益分岐点における様々な数字は非常に重要な意味を持っています。
損益分岐点自身が企業の利益性を決める非常に重要なポイントとなっており、この点における様々な数字は利益を考える上で最低限の数字と考えることが重要です。
そのため常に売上高や利益率をチェックし、損益分岐点比率が80%を超えないようにすることが必要である上、よりこの数字を低くするための施策を考慮することが重要です。
加えてこの項目には登場しない固定費も常にチェックし、できるだけ低い売上高でも利益を生み出すような施策を常に行わなければなりません。
これらの数字はそのための判断基準となる重要な要素であるため、事業を進める上で常に意識しておくことが必要となります。
損益分岐点をグラフで視覚化すればもっと分析がラクになる
損益分岐点を明確に把握するためには、グラフを利用すると非常にわかりやすくなります。
一般的に損益分岐点を示すグラフは売上高の上昇がコストの上昇を追い抜く形となり、その考察するポイントが損益分岐点となることから非常にわかりやすくできるものとなっています。
そのため、他の企業ではグラフ化して常にその状況をチェックしていると言うケースが少なくありません。
最近では無料のテンプレートなども様々なところからリリースされており、コスト計算の結果を入力するだけで簡単に視覚化することができるようになっています。
しかしその中でも最も利用しやすいと考えられているのがエクセルです。
その理由は様々なツールとの連携性が高く、必要なデータを直接入力することができる方が様々なツール等を使用することができるため、迅速に処理を進めることができる要素が大きいのです。
最近ではコスト計算も非常に煩雑になっています。
大規模なプロジェクトなどの場合には、様々な部門が個別にその工程を管理していることが多く、最終的なコスト管理はそれぞれが責任を持って行っていることが多いので部門ごとに生産高やコストのデータが出力されることが少なくありません。
ただし部門が多ければそのデータの量も非常に大きくなってしまうため、これらを手作業で処理する事は非常に困難なものとなっているのです。
そのためこれらの情報をシステムで管理することが多いのですが、システム上のデータは様々の形式がある方法、これを最終的に1つのシステムに統合することが困難な場合も少なくありません。
加えて中小企業等ではこれらの分析システムを所有していないことも多く、データ処理を手計算で行わなければならないことも多いのが実態です。
しかしそれでは迅速な分析を行うことができず、売上高や利益率の変動に対して早急に対策を行うことができなくなってしまう問題があります。
エクセルは一般的にパソコンレベルで処理をすることができる非常に利便性の高いソフトウェアであるとともに、グラフ等の表示も非常に簡単に行うことができるので、中小企業でも非常に頻繁に用いられており、またシステム同士のデータの受け渡しもCSVファイルなどを利用して簡単に行うことができるため、非常に便利なツールとなっています。
最近では事業計画書に損益分岐点を記入することが増えてきました。
事業計画書は第三者に理解をしてもらう必要があり、わかりやすく記載することが必要です。
そのためグラフなどを用いて可視化する事は非常に重要なポイントとなっています。
損益分岐点をしっかり学んで自分のビジネスの利益を最大化するするのにおすすめの書籍3選
損益分岐点をしっかりと学ぶ事は、事業を考える上で非常に重要な要素となります。
いかにそのタイトルと出版社、および著者と概要を示します。
やさしくわかる損益分岐点(日本実業出版社)
非常に分かりやすいと評判なのが、「やさしくわかる損益分岐点」、著者本間建也、出版社は日本実業出版社です。
この本は1999年の12月に刊行された本で、現在となっては比較的古い本の部類に入りますが、優しく損益分岐点の基本を説明していると評判で、初めて企業の仕組みを学ぶにも非常にわかりやすい本となっています。
損益分岐点の実務が面白いほどわかる本(KADOKAWA)
次に紹介するのは、「損益分岐点の実務が面白いほどわかる本」、著者天明茂、出版社はKADOKAWAで、専門的な知識をわかりやすい表現で記載していると評判の本です。
著者の天明茂氏は公認会計士であり、様々な経理や財務の専門家の立場から損益分岐点を解説している点がポイントで、一般的な他の本とは異なる視点で分析をしている点が注目のポイントです。
損益分岐点がわかる(実業之日本社)
3冊目は「損益分岐点がわかる」著者太田昭和監査法人、出版社実業之日本社で、監査法人が著作している本であるため専門的な内容がふんだんに盛り込まれている点がポイントです。
日本は全く企業定理に関して知識のない人が読むには非常に難しい内容と考えられる面もありますが、その分専門的な視点からの内容がふんだんに盛り込まれており、基本的な内容が理解されている人であれば非常にわかりやすく、且つためになる本と考えられます。
損益分岐点を考える上ではその手法もさることながら、目的を明確にすることが非常に重要です。
目的を明確にすることでその計算方法を十分に確認する意識を養うことも可能となっているのです。
特に固定費と変動費の考え方は様々な状況によって変わり、その性質を的確に把握することがより正確に損益分岐点を割り出すために必要となることに注意をしなければなりません。
これを理解するためには様々な本を用いて予備知識を十分に得ておくことが必要であり、考え方の基本を学んでおくことがポイントとなるのです。
例えば人件費は本来は固定費と考えられるものですが、変動要素がある場合にはこれを変動費に入れることも損益分岐点をより正確に把握する上で非常に重要な要素となります。
変動費も同様、一般的にはその要素となるものであっても、場合によっては固定費と扱う方が良いケースも少なくありません。
その見極めを行うことも事業利益を正確に割り出し継続性を判断する上では非常に重要で、また確実な方法となります。
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