文脈効果とは「事前情報によって物の見え方が変わる」という心理効果のこと

認知心理学者ブルーナー(Jerome Seymour Bruner)は文脈効果について言及した心理学者の一人です。
ブルーナーは「L,M,Y,A」、「16,17,10,12」、「Broken-B」の文字を利用して実験を行いました。
Broken-Bつまり崩したBの文字を見せ、それが前後の文脈によってどのように見えるかを調べたのです。
その際に先行刺激として利用したのが「L,M,Y,A」及び「16,17,10,12」の文字群です。
崩したBの文字を「L,M,Y,A」の中に置くとそのままBと認識する一方で「16,17,10,12」の中ならば13と感じた人が多かったのです。
この実験結果により、人は先行刺激によってつまり文脈の中で対象の判断が変化することが分かりました。
これを文脈効果と呼び促進的、抑制的感覚いずれに対しても働きます。

文脈効果の具体例

文脈効果の好例として同音異義語を相手に伝える場合が良いでしょう。
たとえば、空を見上げながら「あめ」と言えば降る「雨」でありアメ玉とは思いませんし、食事をしながら「はし」と言えば「箸」と考えるのが妥当です。
これは現在置かれた状況の中で判断しています。
しかし橋が架かった川を前に「はしを渡るな」と注意されると「橋」なのか「端」なのか分からない場合もあります。
文字でも文脈効果が起こることがあり、数字の「9」をDogのgの代わりに記載した場合に数字の「9」と考える人は少なく文脈上gとみなして読みます。
ある知覚が前後の刺激に影響されるという意味では、ブルーとレッドのラッピングが施されたプレゼントがあり男の子に好きな方を選んで良いと勧めた場合、先に選んだ男の子全員がブルーを選んでいるとついブルーを選んでしまうのも文脈効果と言えるでしょう。

文脈効果に関連する心理学用語「プライミング効果」「ハロー効果」「クレショフ効果」も併せて知っておこう

プライミング効果とは、ある事柄に対する先行する認識が後の認識に影響する効果を言います。
たとえばスイカと梨、ミカンの写真を見せた後で甘いものについて尋ねると、無意識に果物の中から選んでしまうといった現象です。
文脈効果はプライミング効果の一部である点で定義が異なります。

ハロー効果とは、人やモノなど対象の顕著な特徴が全体を判断する際に影響を与えることを言います。
これは良い面悪い面いずれに対しても当てはまり、ある企業が画期的な商品を開発すると他の商品の販売促進に繋がりますし、データ改ざんなどがあれば業務全体がマイナスになるといった具合です。

クレショフ効果とは、映像で用いられた手法で、一つのカットが前後の映像に与える影響のことです。
いずれも認知に影響を及ぼす点では共通していますが、学問的分類で違いがあります。

【応用・実例】文脈効果をマーケティングに活かそう

どんなに優れた商品でも方向性をもった広告や宣伝をしなければ売れ行きは伸びません。
いかに消費者の関心を惹きつけるか、さらなる購買意欲を掻き立てるかは文脈効果などの知識を応用すると有効でしょう。
その好例がコピーライティングで、簡潔なフレーズで商品や企業を表現し、かつ消費者の心理を揺さぶります。
文脈効果などを期待するには先ず商品の認知を高めることが必要で、たとえばコーヒーなら何と連想できるコピーが理想です。
また商品はデザインや容器、環境によって売れ行きが左右されます。

文脈効果の例として、同じケーキでも紙の皿で提供するのと、高級な磁器の皿で給仕するのでは感じる美味しさに違いが生じます。
デザインでも同様ですが、参考になるのはスーパーなどに出掛けパッケージなどをよく観察して、その商品にふさわしいかを見極めることです。
温かい食品ならば湯気が立つ完成品の写真を、冷たい飲み物ならば氷と一緒の写真や炭酸を強調したり、服の場合はマネキンを利用したコーディネートでデザインの新しさを強調するのも重要な手法です。
これらが消費者に与える心理的影響が商品の価値を高めてくれます。
文脈効果は状況が作り出す効果ですから、できるだけ客観性を保つ工夫が重要で、売る側の論理だけでキャッチコピーやデザインなどを決定すると予想よりも効果が得られないことがあります。

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