ヴェブレン効果とは?

ヴェブレン効果は、ウクライナに生まれアメリカに渡った後経済学を修め理論経済学者となったハーヴェイ・ライベンシュタイン(Harvey Leibenstein)が、論文「消費者の需要に関する理論におけるバンドワゴン、スノップ、ヴェブレン効果」で提唱した理論です。
これは人の虚栄心に着目した理論で、販売価格が高いほど需要が増す傾向を意味します。
所得が多い人が、地位を他人に誇示するために購入する行動を顕示的消費(誇示的消費・見せびらかし消費)と呼び、その際に購入する商品をヴェブレン財(Veblen good)・ベブレン効果・ベブレン財などと称します。

この名称は「有閑階級の理論」(1899)を著した経済学者ヴェブレンに由来します。
この効果はバンドワゴン効果・スノッブ効果と並んでビジネス心理学では重要な理論で、広くマーケティングに応用されます。

ヴェブレン効果の具体例

自動車を購入する際の動機として、毎日の買い物を楽にしたいとか、出勤や退社はゆっくり座り自分の時間を持ちたいなど十人十色あります。
この目的ならば、どんなに古い自動車でも動きさえすれば達成できます。

しかし高所得の人は同車種でも中古車を選択しません。
高ければ高いほど良いと考え新車を選ぼうとします。
これは車の性能や用途に着目した判断ではなく、暗に自身の社会的地位や所得を誇りたい気持ちに由来する行動です。
この行動を誘発する効果をヴェブレン効果と呼びます。

経済の一般的な理論ではモノの価格が低くなるほど多く売れますが、ヴェブレン効果のもとでは原則とは逆にモノの価格が高くなるほど売れる傾向があります。
高額な服や靴、時計そして装飾品を身につけることもこの効果の具体例です。
商品の内容や外観に大差は無くても価格差をつけることで、消費者の心理を揺さぶることができます。

ヴェブレン効果と同時に語られる「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」とは?またこれらの共通点と相違点とは?

ある商品を買うとき他人の評価を考慮する人が多いと思います。
その際に二つの考え方に分かれます。

一方は多くの人が良いと評価するから選ぶ人、他方は多数が支持するモノは欲しくないと考える人です。

これら前者の効果をバンドワゴン効果と呼び、後者をスノッブ効果と称します。
行列の先頭を進む楽隊車がバンドワゴンで、いわば流行に乗ることです。

スノッブとは俗物だったり知識を鼻にかける人を意味し、他人の評価をむしろ否定し希少性を追求することです。

いずれも他人の評価に左右される点で消費の外部性が重要な意味を持ちます。

バンドワゴン効果をヴェブレン効果と比較すると、高額なモノが流行していれば共通しますが、低価格で庶民的なモノに時流がある場合はヴェブレン効果に見られる虚栄心を満たせない点で相違します。スノッブ効果とヴェブレン効果は他人と違うモノを求める点で相似性がありますが、スノッブは必ずしも高額であることや社会的地位の誇示に目的はありません。

【応用・実例】ヴェブレン効果をマーケティングに活かすときのポイントは価格戦略にあり!具体例をあげつつ紹介

ヴェブレン効果を初めマーケティングに心理学を活かす際重要なのは、ターゲットを明確にすること及び商品の強みを知ることです。
この点が不明瞭であれば十分な効果が期待できません。

一本のペンを事例に考えた場合、先ず商品の特徴を詳細に分類し価格を決めます。
フリクションや字の滑らかさ、ペンの握り心地などです。
これらの特徴を誰もが望んでいるわけではなく、書けて安ければ良い人も居ます。

そこでターゲットを絞っていきます。
学生ならば字が消えにくく濃いフリクションペンは、間違いが消せる点にメリットがあります。
しかし、役所に提出する書類など公文書を作成したり契約書など重要書類に携わる職業の人には向きません。

このようにターゲットが決まれば、商品の特徴と価格が自ずと決まりヴェブレン効果なども期待できます。
出先で使用するなど失くす心配がある人には安すぎるものでも需要が見込めますが、書く用途以外に装飾品としての役割を持つペンならば商品価値が高くブランド化も見据えたものが有効でしょう。

ヴェブレン効果はコストに見合った価格設定よりも、いかに虚栄心をくすぐることができるかに重要性があるため、より値段が高いものでデザイン性豊かに高級感を演出するなど付加価値をつけることこそが大切です。
実際に各メーカーでは蒔絵を使用した万年筆や王室御用達などを唱った商品があります。

この記事を読んだ方にオススメ

マーケティングの全まとめチェックリスト

マーケティングの最新情報メールマガジン